修学旅行★幼なじみと甘いキス
「安心していいわよー。あなたが心配してるような事は何一つないから。
一ヶ月前、急用から戻ってみれば何故か高橋さんが保健室で眠っていた。それだけ」

「!?」

「でもねそのあいだ
隣であの広瀬くん、
そんなあなたのこと、ひたすらずっと抱きしめていたのよ。
それはもう、“片時も離したくない”って言うくらいにね」


それがどうかした?



さも当然のように、今度はそう問い返してきた先生に
わたしは返す言葉を失う。


そしてしばらくの間、ひとり驚いていたあと、

わたしはとっさにギュッ!と目を押しつぶった。


「っ…、で、でも」

「……」

「でもあのとき、春野先生は…―――」



“――あっ、あの、先生…”

“んー?”

“さっきまでココに
髪を茶色に染めたその、背の高い男子が居ませんでしたか?”


“あたしが戻ってきた時にはあなたしか居なかったみたいだけどー?”



だってあのとき

春野先生は…


たしかにわたし以外、誰も見てないって言ってたのに。


それなのに、どうして…――?

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