修学旅行★幼なじみと甘いキス
「…どーいたしまして。
ただね。こう言って水を差すようだけど
わざわざ今このあたしにお礼なんて伝えてる場合じゃ、ないかもしれないわよ」


でもこのとき、春野先生の口から返って来た言葉は意外なもので。

思わずわたしは「えっ?」と大きく声に出して聞き返す。


「…?場合じゃない、って…?」

「……」


さっきまでの穏やかな空気から一変、
先生の妙な発言を前に、心臓の鼓動がしだいに早くなる。

そのままだんだんと焦った表情へと顔色が変わっていくわたしに
春野先生は一言、ただ他人ごとのようにこう言った。



「さっきあなたと廊下で出くわす前、通りすがりに見かけたわよー?
幼なじみの広瀬くんと、誰か他の知らない女の子が、何だか深妙そうに話をしているところをね」


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