修学旅行★幼なじみと甘いキス
――バタン!
その直後、わたしはとっさに部屋を飛び出していた。
後ろではあの春野先生が
同じように背を向けて、この場を立ち去る中
その反対方向を、わたしは急いで駆けだす。
「ハァッ、ハァ…」
“30階以上もあるホテルなら、普通は誰でもエレベーターを利用するでしょ。
よほどの事がないかぎり階段通路沿いで男女ふたり立ち話なんて、しないと思うのよね”
「…っ、翔!」
エレベーターの真ん前を突っ切って
人気のない曲がり角へと出るなり、とっさにその名前をさけぶ。
「――! 加奈子…」
するとそこには
階段の壁にたたずんで向かい合ったまま、わたしを見て驚く、翔と――三浦さんの姿があったんだ。