修学旅行★幼なじみと甘いキス
「へぇ~、思ったより意外とキレイにしてるんだね」
「……」
翔にしては意外にちゃんと片付けられていることに、内心ちょっと感心しながら周りをウロウロと歩く。
部屋の様子は、ごく普通に置かれている液晶テレビや机、ソファとかなどの他にも、泥で少し汚れたサッカーボールとユニフォーム。
それから、中学のときまでに何度も勝ち取ってきたらしい
大会での優勝カップや表彰状など、いくつも掲げられていて
とにかく、サッカーに関連したものがいっぱい。
“ねぇねぇ知ってる?
あそこにいる赤の背番号9番の、広瀬くんて
中学んとき所属してたサッカー部が去年、全国大会の優勝チームで、しかもバリバリのエースだったんだって!
そのとき、有名なチームの監督も大勢見に来てたらしいんだけど
試合後、彼のプレーを見て何人もの監督がスカウトしに来たらしいよ”
…そういえば前に、有名チームからの引き抜きを、あの翔が間際になってとつぜん蹴ったっていう話を偶然耳にした事があるけど。
でも、こうやって過去に表彰された物を大事にちゃんと取ってあるってことは
なんだかんだ言って、ほんとは今でもやっぱりサッカーが好きなんだろうな。
それなのにどうして――断っちゃったんだろう?