修学旅行★幼なじみと甘いキス
――ガラッ
しだいにボヤけてくる頭の中
目の前では、無言で階段をおりていく翔。
少しのあいだ、わたしはそんな翔の後ろで揺られたあと
しばらくして、保健室の扉を開ける音がする。
「……」
でもこのとき
保険医の先生はあいにく席を外している最中だったのか
室内には物音一つしなくて。
誰もいない、シンと静まりかえった様子の保健室を前に
翔は少しも詫びることなく
わたしを背負ったままスタスタと中へ入る。
「い…いいの?勝手に…」
「さぁ。…知らね」
何の許可なく、勝手に中へ踏みいったことに対して
翔は相変わらずそっけない口調で返しながら
奥のカーテンを開け
グッタリした様子のわたしを背から下ろすと
中へ置かれた白いベッドに座らせた。