修学旅行★幼なじみと甘いキス
◆隠した涙
キーンコーン
カーンコーン
「――では今から出欠確認を取る。朝倉」
「はい」
「石井」
「はーい」
「江藤」
「うっす」
翌朝。
学校の鐘が鳴り終わるのと同時に
担任の先生が淡々と点呼を取る声がする、朝のホームルーム。
高校生になっても、その光景は中学の時と、ほとんど変わらなくて
しばらくその様子を見つめながら、わたしはとっさにチラ…と横に視線を送ってみる。
「……」
だけどそこで見たものも、やっぱり今までと変わらなくて。
わたしは、小さくうつむいた。