修学旅行★幼なじみと甘いキス
「松本」

「はい」


先生の声にまぎれて、もう一度だけちらっと横に視線を向けたけど

翔は相変わらず、わたしから顔をそらしたまま。


それを見て、わたしはギュッ…とスカートを握りしめた。



「……」


翔…、全然こっちを見ようともしない。

昨日と、おんなじだ…。



“待てよ…!”



…本当は今朝

昨日のことがキッカケで

もしかしたら今までとは何か少し変わってるんじゃないかって、そんな風に期待して、この席に座った自分がいた。


でも、やっぱり何も変わらなくて。


諦めたように、わたしも翔からフイと顔をそらすと、小さくため息をつく。


同時に、教卓で先生が名簿表を閉じる音が聞こえた。
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