キモチ
過去-カコ-
「鈴なんか居なきゃ良かったのよ!雅人だけで良かったのよ!」
「何言ってんだ!雅人も鈴も私達の子供だろ!?」
「なら…どうしてなのよ!?あの原因不明の病気はッ!」
「原因不明なんかじゃない。ただ、都会の空気が合わないだけ。空気の良いところに住めば良いことじゃないか。」
「会社はどうするのよ!あなたは社長なのよ!?定年までに後何十年あるのよ!?」
「だから鈴には悪いが…」
私はある日聞いてしまった。
ヒステリックに叫ぶ母の声。
それを慣れたようになだめるお父さん。
両親のケンカ…
これで何度目だろうか――…
原因は私の持病。
お母さんの言う通り原因不明の病気。