彼女にキスの花束を
沈黙を破ったのは僕の方だった。
「返事してもいいかな…?」
「えっ、え?!」
僕の言葉に慌てる彼女の姿があまりにも自然体でぼくはつられて笑顔になってしまう。
「僕ね、この手紙をみたとき絶対ドッキリだって思ったんだよ。」
彼女はどうしてといった雰囲気で僕に問い掛ける。
「僕から見た中城さんは僕とずっと関わることがない人だと思ってたんだ。」
握った手紙に少し力を込める。なくならないように。手放さないようにするために。
「でもね、それでも僕は期待したの。ー……本人かもしれないって。」
手紙をみたときの緊張感。
階段を上るときに感じた高陽感。
そして君をみたときの嬉しさ。
こんなのどう考えても
………恋だろ………。
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