彼女にキスの花束を
「手紙もらう心当たりとかねぇの?」
「いや、みんな無くね…そんなの」
「クラスで親しくなったとか、メアド交換…だったらメールするよな。」
「ていうか宛名みればいいだろ。」
僕がそういうと悠斗は雑に扱われたちょっと折り目がついた封筒を扇ぐように見た。
「あー書いてねぇよ。おまえの名前だけ。」
「じゃあ、中だろうな。」
「すっげえ気になるんですけど!!」
「…教えないぞ?」
「はっ?!何で?」
だからこいつは何でさも当然だと言わんばかりに言い切るのだろうか。
こいつと友達やめていいですか……
「もう、いい。」
そういうとあいつは、脱兎の如く、逃げた。
だから、僕がもらった手紙だっつの!!
かと言って追いかける気力もでない。だって絶対追いつかないもの。
中学までバリバリ陸上やってたやつに一般人が追いつくかっ!!
僕のラブレターは悠斗の手の中に拉致られた。
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