【完】アニキ、ときどきキス
kiss1 *新君*
「北原さんは変わってないね。
今も俺のこと好き?」


「え・・・・・・?
七瀬さん?」

七瀬さんがジリジリと私に迫ってくる。

誰もいない学校。
玄関にある柱時計の針の音がカチッカチっと学校に響く。


トンッ


「あ」

私は壁に当たりよろめいた。

七瀬さんの顔が近い。
心臓がドクドクと音を立てて動く。


「あ・・・・・・らた君?」

私の口からその名前が出たとき、七瀬さんは優しく微笑んだ。


「そう。新君」


「え?
―――っん!?」

私の唇が強引に奪われる。
抵抗しようとした私の手首は、新君に捕まれて動かせない。


どうして?
新君!

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