【完】アニキ、ときどきキス
私の体がブワンと中に浮く。

お、おひ、おひ、お姫様だっこ!?


「山田先生!
ちょっとこれは恥ずかしすぎです!
降ろして下さい!」


「何言ってるんですか!?
この非常時に!」


山田先生は私を抱きかかえたまま、ズンズン階段を下っていく。


山田先生の横顔が近い。


肩の辺りに触れる、山田先生の腕。

コツコツしてて固い。


可愛いはずの山田先生がとっても逞しく思えた。


「養教の先生、今日も出張でしたよね。
待ってて下さいね」


山田先生は保健室のベッドに私をそっと座らせると、冷蔵庫の中から氷を取り出し、ビニール袋に入れ、私の元に持ってきてくれた。



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