【完】アニキ、ときどきキス
「北原先生、なんだか嬉しそうですね」


職員室で仕事を終え、後片付けをしていると、山田先生がひょっこりと私の背後から、顔を覗き込んだ。


「え、そうですか?」


「はい。
鼻歌、歌ってましたよ」


「え!?嘘!?」


「嘘です。ハハッ」


山田先生は私をからかうと、隣の空いている椅子に座った。

そして優しくフッと微笑んだ。


「良かったですね。
昨日のこと解決したみたいで」


優しい笑顔にドキリとしてしまう。


「今から帰るんでしたら、送って行きます。
その足じゃ歩くの大変でしょ?」


「え、そんな。
いいですよ、タクシー呼びますから」


「だめです。送ります!
心配ですから」


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