【完】アニキ、ときどきキス
こんなに私のことを心配してくれる山田先生。

悪い気はしなかった。


「お願いします」


私は無意識に頭を下げていた。


「はい」


山田先生は元気に微笑むと、私をあの時のようにヒョイと持ち上げた。


「っきゃあ!」


「お車までお送りしますよ、お姫さま」


「お、降ろしてください!」


「いいじゃないですか。
どうせ、僕と北原先生しか残ってないですし」


山田先生は鼻歌を歌いながら、私を車まで運ぶ。

山田先生、とっても嬉しそう。


なんだか私、振り回されてるぞ・・・新君とあんなことまでしておきながら、山田先生にもドキドキして。


なんだかすっごく罪悪感。


車で送られている間もずっとモヤモヤしていた。

このままじゃ、新君にも山田先生にも悪いよね。


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