【完】アニキ、ときどきキス
「あの、山田先生」


私が山田先生に言おうとしたその時だ。

私もつい目を細めた。


新君の後ろから、見たことがない女の人が出てくる。


ロングヘアーに、ホットパンツから出たスラリと伸びた小麦色の足が印象的だった。


お客さん?


私と山田先生がジッと見つめていたその時だ。


「あっ!!」


私はビックリして両手で口を押さえた。

その女の人の両手が新君の首もとに絡みつく。

そしてその女の人は背伸びをして、新君の唇にキスをした。


そりゃあ、ホストだから仕方ないかもしれないよ?




だけど、だけど・・・・・・。

あの時の夜のことが全部嘘に感じてしまう。


「好きだよって、言ったのに・・・・・・」


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