【完】アニキ、ときどきキス
「最悪、クマが出来てる・・・しかも目腫れてるし」


次の日、鏡で自分の姿を見て愕然とする。


顔を洗い、仕方なく滅多にしない化粧道具を広げる。

メイクで目のクマと腫れを誤魔化し、学校へ向かおうと玄関の扉を開ける。


「あれ?」


玄関先には見慣れた車が。

山田先生の車だ。



山田先生は車の中でスヤスヤと眠っている。

私は車の窓をコンコンと叩いた。

山田先生がビクっと体を揺らし、目をパチリと開ける。


ウイーーーン


「北原先生、おはようございます!」


車の窓が開き、山田先生の笑顔が覗く。


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