【完】アニキ、ときどきキス
「じゃあ、あの、昨日遥さんのアパートの部屋から、あの男の人が出てきたのは、なぜなんですか?父親?・・・にしても若いですよね?」


「えっと、新君は遥のお兄さんなんです」


「へえ!そうなんですか!
知らなかった・・・・・・」


「まあ、両親がいないので、新君が父親みたいなものなんですけど」


「へえ。意外。
そんな風には見えないな」


「うん・・・私も新君がこんな風に子育てをするようになるなんて思わなかったな」


「あの、さっきから気になってたんですが、北原先生、新君って・・・友達だったんですか?
随分親しみがこもった呼び方だから」


「新君は、私の初恋の人なの」


「え!?」


山田先生が驚き、私の顔を見る。

私はフッと寂しく笑って、学校に到着した山田先生の車から降りた。


< 158 / 231 >

この作品をシェア

pagetop