【完】アニキ、ときどきキス
kiss0 *図書室のキス*新side
「お母さん、再婚することになったの」


「え?」


6年生も終わりに近づいた2月末。

俺は母親に突然再婚の話しをされた。


「すごく優しい人だから、新もきっと仲よくなれると思うわ。
それに新には父親が必要だと思うし」


「あ、うん・・・・・・」


俺はそう答えるしか無かった。

俺に父親が必要?そうなのかな?

俺は母さんがいればそれでいいって思ってた。

母さんは俺と二人じゃだめなのかな?


昼休みの図書室。

本の整理をしながら、ずっとそのことを考えていた。

嬉しそうに七瀬さんのことを話す母さんの顔が頭に浮かぶたびに、寂しいような、なんとも切ない気持ちになった。

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