【完】アニキ、ときどきキス
「ねえ、新君。
やっぱり一人より二人がいいよね」


「え?」


北原さんの言葉にドキっとする。


「誰かと一緒だと、いつもより頑張れちゃう気がしない?」


北原さんは、俺の顔を見てニッコリ微笑む。


「私は、そう思うよ」


「・・・・・・」


ニッコリ笑った北原さんがなんだか眩しくて、俺はとっさに顔をそらした。


「うっし!じゃあ、先生にばれる前に、私は図書室に戻るよ!
新君も落ち着いたら来てね」


北原さんは颯爽と、校舎の中に駆け込んでいった。


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