【完】アニキ、ときどきキス
バサバサバサ


手に持っていた教務手帳やファイルが一気に下に落ちた。


「あ、ごめんなさい」


「いえ、僕がいきなり手握っちゃったから」


私ったらドジ!

こんなことで動揺するなんて・・・・・・本当免疫ないな。


落ちた物を拾っていると、事務の先生に呼ばれた。


「北原先生、電話です。
七瀬遥さんのお宅から」


「え!?七瀬!?」


慌てて立ち上がったせいで、拾った物がまたバサバサと音を立てて下に落ちた。


「ああ、もうっ!」

私がどっちつかずでオロオロしていると、山田先生がクスクス笑いながら、私に話しかける。


「北原先生、僕拾っておきますよ。
机の上にあげときますね」


「あ・・・・・・ごめんなさい」


山田先生は込み上げる笑いをクックックと堪えながら、私の落とした物を拾っている。


呆れられちゃったかな・・・・・・。

私はペコリと頭を下げて、電話に小走りで向かった。



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