【完】アニキ、ときどきキス
真っ暗で何も見えない玄関。


「っぅ!っひゃあ!」


新君の指が私の首もとを伝い、私の唇の上にたどり着く。


「あった」


「え?」


「北原さんの唇、プニプニしてやわらかい」


「やわら、あっん・・・・・・」


新君の唇が私の言葉を塞ぐ。

そして唇に当てていた手は、私の胸元へとおりてくる。


「っん・・・・・・!あ、」


暗くて、新君の姿が見えなくて、新君がすることが見えない。

快感がどこに来るかが予想出来ない。


唇、耳、首・・・そして・・・・・・


「腹立つ・・・・・・」


新君がそう呟きながら、私の手首にそっとキスをする。




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