【完】アニキ、ときどきキス
「北原先生行こう」


遥がニッコリ微笑んで私の手をひいた。


「あ、待って」


私は慌ててヒールを履いて、玄関から出た。


「北原さん、おはよう」


新君が私に挨拶をする。


「おはようございます」


何かの間違いかなと思い、新君の奥に座る運転席を確認する。

間違いない。山田先生だ。


「山田先生?」


「あ、お、おはよう、ございます・・・・・・」


山田先生は私をチラリと確認するとペコリと頭を下げて挨拶をした。

私は何がなんだか分からないまま、遥に促されて車の後ろへと座った。


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