【完】アニキ、ときどきキス
「あの、遥さんはご自宅に戻られていますか?」


『はあ・・・・・・いますけど』


ほっと胸を撫で下ろす。


『・・・・・・北原先生、今日の夕方お時間ありますか?
一度お会いして、遥のことを話したいと思うのですが。
昨年も色々あって、気になって・・・・・・』


私は七瀬さんの言葉に感心した。
案外しっかりとした家庭なのかも。


私も一度話ししたいし・・・・・・。


「はい。ではお待ちしています」


そう思った私は、了承の返事をしていた。


『では、夕方学校にお伺いしますので。
それでは失礼します』


カチャ、ツーッツーッツー


私は電話の切れる音を確認して、受話器をカチャリと戻した。


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