【完】アニキ、ときどきキス
「え、辞めたって!?どうして?」


「あとで、話すよ。ただいまあ」


新君が私の横をすり抜けて、アパートの扉を開けた。


「あ、アニキ、お帰り」


「お邪魔しています」


「おお、穂高ちゃん久しぶり。
何?うちの家に来るの初めてじゃない?」


「はい。私今日から遥さんの弟子になりましたの。
これからお邪魔する機会が増えると思いますわ」


「ああ・・・なんかもう面倒くさい」


遥がドッカリとソファーに座り、コップに入っているお茶をグイっと飲み干した。


「ところで、北原先生は何をしているんですの?」


穂高が新君の後ろにいる私の存在に気づく。


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