【完】アニキ、ときどきキス
「え?いや、その・・・・・・」


「北原先生は、いつも家に来て一緒にご飯食べてるから」


「あ、そうなんですの・・・・・・」


穂高がシュンとする。


「遥さんは特別なんですのね」


「いやいや。
北原先生はただ、アニキに会いに来てるだけだから。
私はそのついでだって」


遥がシュンと落ち込む穂高を気にして、冗談っぽく理由を教える。


「そうなんですの!?」


「そうそう。
私は一人でも平気なのにさあ。
ほら、今日だって今からデートなんだから。
私は穂高と留守番してるから、行ってきなよ」


遥は玄関にいた新君をグイグイ押して、外に出した。


「私のことは気にしないで、二人でゆっくりしてきなよ。
バレンタインなんだし。ね!」


遥はニッコリ笑うと、アパートの扉をパタリと閉めた。


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