【完】アニキ、ときどきキス
「北原先生、僕先に帰りますけど、戸締まり一人で大丈夫ですか?」


職員室で明日の授業の教材の準備をしていると、山田先生が心配そうに私の元へやってきた。


「平気ですよ。
わたしいつものろまで・・・・・・戸締まりは慣れてますから。
それに七瀬さんも来ますし」


「そうですか・・・それじゃ、僕先に帰りますね。
これ、差し入れです!」


山田先生はそう言って、私の机の上に小さな小瓶をコトリと置いた。


「金平糖?」


「はい。
昨日街で見かけて買ってしまいました。
色々教えてもらいましたし、そのお礼です」


山田先生は少しだけ首を傾けて、にっこりと微笑んだ。

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