【完】アニキ、ときどきキス
「新君は今まで頑張ってきたんだし、今は自分のことを頑張ってもいい時だと思う。
ただ、条件があるの」


「条件?」


「絶対帰ってきてね。絶対だよ!」


「うん」


「そ、れで・・・やっぱり、一人より二人がいいし、そのっ・・・・・・」


「ん?」


新君は私が考えていることが分かっているんだろうか?

イジワルそうに笑って、私の顔を覗き込む。


「か、帰ってきたら言うもんっ」


「お、じらすねえ」


「ていうか、言ってくれるよね?」


新君は私の言葉にハッと息をこぼして笑った。


「やっぱり、望は俺が何も言わなくても気づくんだよな」


新君が私を優しく床に寝そべらせる。


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