【完】アニキ、ときどきキス
kiss10 *いつでもキス*
「北原先生、出来ましたよ」


「く、苦しいですね。
やっぱり袴は何度着ても慣れませんね」


私は草履を履いて、美容院を出た。



早朝。
灰色の空だけど、すがすがしい空気。

きっと今日は青空が気持ちよく広がる。

私はスッと息を吸って学校へと向かった。


「んー!?」


道路を歩いていると、直太朗の声が後ろから聞こえ、前に回り込まれる。


「あ、やっぱり望ちゃんだ!」


スーツにしっかりとネクタイを結んだ直太朗。


「お、直太朗。すっごく格好いい。
金髪だからか、黒が映えて・・・素敵だよ」


「え!?そうかな?」


直太朗はなでなでと自分の髪の毛を撫でる。


「直太朗の髪の毛、羨ましいな」


遥が私の隣に並び、直太朗の髪の毛を羨ましそうに見つめる。


「おはよう、遥」


「おはよう、北原先生」


遥はニッコリと微笑んで私に挨拶を返す。


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