【完】アニキ、ときどきキス
「今日はちょんまげ結ってないんだね」


「うん。
ちょんまげも一緒に卒業しようかと思って」


前髪を斜めに流した遥がとっても大人っぽく見えた。



3人でいつもの道を歩く。

いつも通る桜並木。
桜の蕾がちょこんとついている。


「今年はこの桜が見られないと思うと、残念だな」


遥が桜の木を寂しそうに見上げながら呟く。

前を行く直太朗は遥の声が聞こえたのか。
少しだけ立ち止まり、遥と同じように桜の木を見上げる。


「また、三年したら戻ってくるんだから。ね?」


「うん、そうだね」

遥が私の腕に自分の両手を絡ませた。


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