【完】アニキ、ときどきキス
卒業式。



みんなが座る横に座り、一人一人の顔を見る。

1年間の思い出がよみがえってくる。



そして、私のクラスの呼名の順番が来た。

私は立ち上がり、マイクの前に立つ。


「6年2組卒業生・・・・・・」


名前を呼ぶたび、その子との思い出が頭にパッと浮かぶ。

ああ・・・これでこの子ども達と過ごすのは最後なんだ。


「七瀬遥」


「はい」


遥が立ち上がり、壇上へと向かう。

ここを卒業したら、遥はみんなと離れて新君と旅立つ。



私はマイクから離れ、そっと涙を拭いた。




そして退場の時間が来た。

私は6年2組のみんなの前に立った。


立ち上がり、みんなと一緒に礼をして、退場。


・・・のはずなのに、みんなが私の後に続いてこない。



< 226 / 231 >

この作品をシェア

pagetop