【完】アニキ、ときどきキス
「みんな、どうしたの?」


私は振り向き、みんなの方へ体を向けた。

クラスのみんなが私を見つめていた。

手を繋いで。みんなが繋がって。


「北原先生!」


遥が私の名前を呼ぶ。


「は、はいっ!」


私がビックリして思わず返事をすると、クラスのみんながドッと笑う。

笑顔の穂高が私に向かって大声で叫ぶ。


「こうして、クラスのみんなで笑えるようになったのは、北原先生。先生のおかげですわっ。1年間ありがとうございました!」



ありがとうございましたーっ!!



6年2組のみんなの声が体育館いっぱいに響き渡る。

1年前は誰もいなかった体育館いっぱいに。いっぱいに・・・・・・。


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