【完】アニキ、ときどきキス
「みんな、ヒック・・・あ、り、ウウ・・・がとう」


私は溢れる涙を我慢出来ずに、袴の袖で涙を拭いてしまった。



パチパチパチ



その時。
体育館の後ろで拍手が聞こえた。


拍手の音の向こうにいたのは新君だった。

私は涙でぐじゅぐじゅの顔を新君に向けた。


「新君・・・・・・」

新君は私を見て吹き出して笑ってたけど、とっても嬉しそうな顔をしていた。

新君の拍手に山田先生の拍手が重なって、会場にいるみんなの拍手も重なっていく。



***



6年2組のみんなは、無事若宮小学校を卒業していった。


そして、新君と遥も旅立っていった。





―――月日は流れ、



三年後・・・・・・。



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