【完】アニキ、ときどきキス
「あの・・・・・・遥なんですけど、今日何かありましたか?
9時頃かな?突然家に帰ってきたんですが」


「あ・・・・・・それが、少しクラスでトラブルがあって。
それで遥さんが怒って出て行ってしまったんです。
お友達のお話では、突然遥さんが机を蹴ったみたいで・・・・・・」


私の言葉を聞くと、遥のお兄さんは、悲しげな表情で私を見つめ、フッと微笑んだ。


「そう・・・・・・ですか。
分かりました」

遥のお兄さんはそう呟くと、席を立った。


「え?七瀬さん!?」


遥のお兄さんは何も言わず、玄関に向かっていく。


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