【完】アニキ、ときどきキス
「北原・・・・・・さん」


「え?」


遥のお兄さんが私にジリジリと近寄ってくる。


「北原さんは変わってないね。
今も俺のこと好き?」


「え・・・・・・?七瀬さん?」


トンッ


私は壁に当たりよろめいた。

七瀬さんの顔が近い。


心臓がドクドクと音を立てて動く。


まさか・・・まさか・・・・・・


「あ・・・らた君?」


私の口からその名前が出たとき、七瀬さんは優しく微笑んだ。

口の横にあるえくぼがポコっとへこむ。



やっぱり!



「そう。新君」


「え?―――っん!?」


私の唇が強引に奪われる。


抵抗しようとした私の手首は、新君に捕まれて動かせない。


どうして?新君!



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