【完】アニキ、ときどきキス
kiss2 *遥と直太朗*
私は小学6年生までこの町に住んでいた。

新君と友だちになったのは小学校5年生のとき。

図書委員会で同じ曜日の担当になったのがきっかけだった。


髪の毛は少し長めで、体は私よりも小さくて、眼鏡をかけていて。

時々見せるえくぼがとても可愛らしい男の子だった。


部屋で卒業アルバムを見ながら思い出す。


『北原さんは変わってないね。
今も俺のこと好き?』


「好き?
うん。好きだったよ。
だけど今は分からないよ・・・・・・」


卒業アルバムをパタリと閉じ、ベッドの上に寝転がった。


新君。
君は私の初恋だった。


図書室でのキス。
私はずっと忘れられなかったのに・・・どうしてあんなキス・・・・・・。


思い出すだけで体が熱くなる。




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