【完】アニキ、ときどきキス
学校に着き、玄関から真っ直ぐ教室へ向かう。


なんだろう?
何かもめているような声が聞こえる。

こっそりと教室を覗くと、遥と穂高が言い争いをしていた。

私はこっそりとその様子を伺うことにした。


「よく来られたわね。
ほら、昨日あなたが忘れた机の中身。
綺麗にしておいたわよ」


バサッ、バサ


私は目を疑った。

穂高の周りにいた子ども達が、遥の足下に向かってぼろぼろになった教科書やノートを捨てるように投げ込む。


「お前、よくこんなことできるな!!」


直太朗が穂高を睨み付ける。


「いいよ、直太朗。
穂高。こんなことで私が傷つくと思った?
あんたバカ?」


遥が穂高にズイっと近づき、穂高の机を蹴飛ばした。


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