【完】アニキ、ときどきキス
「穂高がしたんでしょ?」


ザワ・・・・・・


私の発言で一気にクラス中にざわめきが起こった。


「何言ってるんですの?
どうして私なんですか?
遥さんは自分がしたと言っているんですのよ」


穂高だけは他のみんなとは別だった。

顔色ひとつ変えずに、落ち着いた様子で私に話しかける。

その笑顔が異常に怖かった。


「そうだよ。
私がやったって言ってるじゃん。
何言ってるの!?」


遥は私から教科書を奪い取り、ぎゅっと握りしめ、教室を飛び出した。


「待って、遥!!」


私は教室を飛び出して、遥の後を追った。


遥は屋上に駆け上がっていく。

遥が屋上の扉を開けたところで、追いつき、私は遥を後ろから抱きしめた。



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