【完】アニキ、ときどきキス
「離せ!!」


遥は私の腕の中で、じたばたと暴れる。


「いやだ!何で!?何で嘘つくの!
遥は何もしてないじゃない!」


「見てもいないくせに何いってるの!?
悪いのは私なんだ!離せ!」


「離さない!
私見てたんだから、全部!」


「は!?見てたって、何を!?」


私の後ろから直太朗が階段を駆け上がり、叫ぶ。


遥の動きが止まった。

息を切らした遥と目が合う。


「隠れて見てたの。
全部・・・・・・」


遥は私の言葉を聞いて、ヘナヘナとしゃがみこんだ。


「なんで・・・・・・なんで追ってきたのさ。
悪いのは私で良かったのに・・・・・・」


遥がボソリと呟く。


「北原先生。
穂高敵にまわしちゃったね」


「どういうこと?直太朗」


遥と直太朗は目配せをして頷いた。


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