【完】アニキ、ときどきキス
「あのクラスは穂高がボス。
いくら先生だからって、穂高は容赦しないよ?」


直太朗が私の隣にしゃがみ込む。


「私と直太朗はそういうの嫌いだから・・・・・・だから逆らってたんだ。
そのせいで悪いことしでかすと、全部私と直太朗のせいにされちゃうけど、言うこときくよりマシだもん」


遥と直太朗は目を合わせて寂しげに笑った。

そんな二人を見て、私は涙が溢れた。


「なんで泣くの?」


遥が私に尋ねた。


「だって・・・・・・今まで誰も気づかなかったんでしょ?
辛かったよね。
っう、ええ・・・・・・」


「アハハ!
北原先生、子どもみたい」


泣きじゃくる私を見て直太朗が声をあげて笑った。

遥も私を見て優しく微笑んでいる。



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