【完】アニキ、ときどきキス
「アニキの言ってた通りだね」


遥がボソリと呟いた。


「アニキ?」


ああ・・・・・・新君のことか。


「お兄さん何か言ってたの?」


「うん。
北原先生はすごいよ。
何も言わなくても気づいてくれるからって」


「え?」


そういえば昨日もそんなこと言われたような・・・・・・私は昨日のことを思い出した。


ボッ!!


顔が熱くなった。


なんであの強引なキスも思い出すかなあ!!

あれはいらない、いらない!!


私はブンブンと頭を振った。


「変」


「うん、変だね」

遥と直太朗は顔を見合わせて笑っている。

二人と目が合う。


「ップ」


私もつられて笑った。

屋上に三人の笑い声がこだました。


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