【完】アニキ、ときどきキス
その後・・・・・・遥と直太朗の予想通りというか。

私は穂高も含めた他の子ども達に無視され続けた。


「日直さん、はじめの挨拶お願い」


「・・・・・・」


「今日は9日だから、名簿9番の人から音読です。
どうぞ」


「・・・・・・」


クスクスクス・・・・・・


時々聞こえてくるのは、穂高とその取り巻き達の笑い声だけ。

遥と直太朗が気を使って発表してくれたりしたけど、帰り際の二人の疲れきった表情を見ていたら、無理をしていたのだなと申し訳ない気分になった。


「無視って一番辛のかも。
これじゃあ憎まれ口叩かれている方がまだマシだよ・・・・・・」


オレンジ色に染まり始める放課後の教室。


私は野球部とサッカー部の子ども達が懸命にグラウンドを走り回る姿を見下ろしながら、ため息をついた。


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