【完】アニキ、ときどきキス
新君にキスされながら、私は思い出していた。

小学生の頃、新君と一緒に隠れてした、図書室でのキスを・・・・・・。


新君がゆっくり私から離れる。


「今日は蹴らないね」


新君が私の目を見て、いじわるく笑った。

一気に頭に熱があがる。

何も答えられなくなった私を見て新君が呟く。


「北原さん。
ありがとう、遥と直太朗の事気づいてくれて」


「え?う、ううん。
私はたまたま見ただけだから・・・・・・」


「そんなこと、ないよ」


新君の顔がまた近づく。


「新君・・・・・・」


私はゆっくりと目を閉じた。


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