【完】アニキ、ときどきキス
山田先生は私の方へと椅子の向きを変え、私の顔をジッと見つめた。


「・・・・・・え?
山田先生、どうしたんですか?」


山田先生に見つめられて、キュンと心臓が締め付けられた。


「俺、今から真剣なこと言うんで、マジで聞いて下さいね?」


「は・・・・・・はい」


私は手に持っていたカップを教卓の上に静かに置き、山田先生の顔を見つめ返した。

なん、だろう・・・・・・?


「あの、俺」


トゥルルルルトゥルルルル


山田先生が何かを言いかけた時、職員室に電話の音が鳴り響いた。

電話の音に体が勝手に反応した私と山田先生がザッと立ち上がる。


「あ」


コチンッ


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