【完】アニキ、ときどきキス
スーツのポケットが震える。


ブーッブーッブー


ポケットから携帯を取り出し開くと、メール着信の文字。

画面にはついさっき登録したばかりの、山田伸行の文字。


ドキンという心臓の音と同時に、体も自然と起きあがる。


『今日は楽しかったです。
ありがとうございました。
僕も一人暮らしなので、また時間があったら、一緒にご飯食べましょうね。
では!山田でした。』


メールを読み終わり、フウと息をはく。


「どうしよう、私。
山田先生にときめいちゃってるよ」


新しい職場。

新しい恋。


私の新生活はキラキラと輝いていた。




・・・・・・だけど、始業式。

それはガラガラと音を立てて、あっという間に崩れた。


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