アリスはウサギと恋をする
「んもう、アリスったら。」
「あの……」
さっきからアンの横にいたメイドさんみたいな人がおずおずと口をはさんだ。
「あら、ごめんなさい。アリス、この子はリユ。この子も人間界では猫なのよ。」
「ふぅん。リユさんはメイドさんをしているの?」
「リっ、リユさんなんて!リユでいいですよっ!!」
「あ、うん。じゃぁ、リユ。メイドなの?」
「はい、一応。でも、仕事はほとんどしてませんけど。」
えっ、この人こんなおとなしそうな感じなのにサボる時はサボるみたいな?
やるな~
「あっ、誤解しないでね、アリス。」
アンが口をはさんだ。
「リユはね、メイドの恰好をしているけど私の友達なの。だからため口だし、仕事もわたしが忙しい時以外は二人で分担してやってるのよ?サボってるわけじゃないわ。」
あ、そうなのね。
「ねぇ、アン。あの、ココはどこ?アンの家?」
「そうよ。ココは私の家。ふふ、素敵でしょ♪」
「うん!あたしこの部屋大好きだよ!!さすがアン!」
「ふふふ。二人は仲がいいのね。アリスちゃんみたいな可愛い子が友達でうらやましいわ。」
そういうリユの目はどこか寂しげだった。