アリスはウサギと恋をする
いつもなら笑われたらすごくむかつくのに、
今日はなぜか
笑われたことよりもケイの笑顔のほうがあたしの胸に響いた。
高鳴る心臓。
あたしの耳にはケイの笑い声と自分の心臓の音しか届かない。
「あーっ、笑った笑った!はーぁ。どいつもこいつもさ、俺の顔見ただけで顔真っ赤にしてなにも喋らねーの!ホントバカだよな!」
「それってさ……」
まさかケイって自分がカッコいいこと気付いてない…?
「なんだ?」
「カッコいいからじゃない?」
「まーそれもあるだろーなぁ~あははは!」
バカだ…本物のバカだ…
「…バーカ」
小声でそう呟いた。
あったばかりなのにこんなに打ち解けてる。
ケイはすごいなぁ。
あたしの壁を一瞬で壊した。