アリスはウサギと恋をする
「なんか言ったか?」
「べっつに!」
「…きかねぇの?」
「えっ、なにを?」
「俺がこんな風に本性隠してる理由」
「聞いてほしいの?」
「いや、別に、そういうことでは…なかったりしなかったりなかったり…」
「聞いてあげてもいいけど?」
「~っ!やっぱりいいです!ご遠慮します!」
そのあと、あたしたちはお互いについて語り合った。
でも、あたしの恋に対する考え方だけはなぜかケイには言えなかった。
話し始めてから何時間がたっただろう。
こんこんっ
「はっ!客だ!」
「頑張れ^^」
「うるせー」
がちゃっ
「あ、アリス?もう帰るよ~そろそろ晩御飯ね」
「えっ、まだそんな時間なの?」
「あーそっか、人間界と、ここじゃ時間の進み具合も違うのよ~」
「へ~」
「ケイ君は、一緒に上に行く?」
「僕は…どうしようかなぁ」
あたしはケイを見て、「行こう」と口パクで伝えた。
「…じゃぁ行きます」