アリスはウサギと恋をする
「アリス……」
間違いない。間違うはずがない。
大好きな、
大好きな
ケイの声。
「ケ…イっ」
「アリス…アンさんから聞いた…?」
あたしの耳元でそっと囁いた。
「聞いた。」
「ねぇ、ケイはあたしのことどう思ってる…?」
「大好きだよ。あった時から…一目ぼれだった」
「あたしも、一目ぼれだったよ…?ねぇ、ケイはあたしのこと…」
「なくなった妹さんに重ねてない…?」
「…そんなこと、ないよ…絶対。アリスのことは普通の女の子として好きだよ。」
「…よかった」
あたしたちは初めてのキスをした。
静かに愛を確かめるあたしたちを月の光と街灯はいつまでも照らしていた。