アリスはウサギと恋をする
「アリス…ごめんね」
アンだった。
「アリス…私もね、帰らなきゃいけないの」
「アン…!!ヤダよっ…二人ともいなくなるのなんていやだぁっ」
ケイがあたしの頭をなでた。
ぎゅっとアンが抱きしめてくれた。
「アリス…また私たちに会いたくなったらここにきていいから。ね?私たちには会えないけど、ここでのたくさんのことを思い出して?じゃぁ…わたしは先に行くわね?」
「アン…!!!今までっ、ありがとうっっ!!!!!」
あたしは力いっぱい叫んだ。
アンが微笑んだ。
ひゅっとアンが穴に飛び込んだ。
「ケイも…行っちゃう…よね…」
「ごめんね。規則なんだ…」
「アリス、これ。俺からの最初で最後のプレゼント」
「わぁ…!!」
なみだ目だったあたしの顔に少しだけ笑顔が光った。
「ウサギ…とハート…?」
「そ。ウサギはいつまでもあなたを愛し続けますって意味♪」
「あははっ!そっか、そうだね♪じゃぁわたしからは…」
ちゅっ
「最初で最後のあたしからのキス♪大事にしてね?」