アリスはウサギと恋をする
「あ、アリス!金貸して!今金欠なんだぁ~な、いいだろ?」
うるうるした目であたしを見つめる兄ちゃん。
いやいや、弟ならまだしも兄にそんなことされて、
「きゅん♥」とかならないし。
ってかあたしもピンチだし。
「い・や!兄ちゃんは一ヶ月3000円ももらってるのに!あたしなんて、1500円だよ!半額!」
あたしはきっぱりと兄ちゃんを突き放し、
テーブルへと向かった。
自分のご飯を食べる前にアンのキャットフードをお皿へ入れて、準備完了。
「いただきまーす」「ニャァ」
「な、可愛いアリス~金貸してよ~500円でいいからさぁ~」
まだも食い下がる兄ちゃん。
「いやって言ってるでしょ!500円はあたしのお小遣いの3分の1なんだからね!!」
「アリスぅ~~」
ったく、なんであんなに金遣いが荒いの?
ほしいって思ったものを我慢できない兄ちゃんの責任でしょ。
そんなこんなで三河家の朝食は終わり、
学校へと足を速めたあたし。